活動報告
―かわらばん―

2022.12.21

2022年12月19日 小グループ研究会

 新潟産業人クラブは12月19日、新事業として初めて実施する「小グループ研究会」で、会員企業のソーゴ(新潟市北区)の本社工場を見学した。約2時間にわたり、冷凍冷蔵庫用断熱パネルの開発・生産現場を会員ら4社6人で巡った。

 高平裕哉事務局長(=日刊工業新聞社〈東京都中央区〉新潟支局長)は、時折空を眺めながら、ソワソワしていた。新潟市では同日、12月としては38年ぶりとなる最深積雪68センチメートルを観測。記録的な大雪となった。参加予定者にお伺いの電話をすると、「これくらいへっちゃら」という会員もいれば、「高速が止まって身動きがとれない」との会員も。前日までの余裕も一転、急遽の参加人数変更にオロオロし始めた。

 しかしそこは当クラブ新事業「小グループ研究会」の初日である。参加人数はぐっと減ったものの、ソーゴ様のご厚意に甘え、4社6人(その他事務局2名)で訪問。会員でもある佐藤重雄ソーゴ社長は「気付いたことを教えていただき、逆に当社が学ばせてほしい」と、悪天候にも関わらず暖かく迎えてくれた。

主力製品の概要や生産の工夫、開発体制などについて、社員の皆様にも詳しく聞いた。近年は冷凍食品需要が高く、最終ユーザーである食品メーカーが省人化のための冷凍製造設備の大型化を進めているという。パネルは大型化しても完全受注生産のため人海戦術で手がけざるをえない工程もあるが、自動化も積極的に進めていた。ゼネコン相手の取引も増加中で、設計や耐火性能などについて詳細な書類提出を求められており、それらに対応するために開発体制を整備。現在は新市場の開拓を視野に、新製品の開発にも意欲的に取り組んでいるということだった。

 数十人が一堂に会する毎月の例会ではなかなか難しい膝詰めでの意見交換を企図した小グループ懇親会。見学後、一息つくと、会員からぽつりぽつりと質問が出てきた。控えめで名高い新潟県民にはちょうどよい人数だったのかもしれない。夏の暑さ対策や、物価高騰の粗利への影響など、短い時間ながらもさまざまなテーマで意見交換した。

 全てが初めてのイベントだったが、「よかったよ」と井浦康晴顧問(=マックス開発〈新潟市中央区〉相談役)。事務局もほっと胸をなでおろした。だがその間も雪がどんどん積もり、ほくほく顔の会員らは、そそくさと帰路についた。