活動報告
―かわらばん―

2023.06.14

2023年5月23・24日 大阪視察会

 5月23日、24日の2日間、新潟産業人クラブでは大阪府八尾市の企業見学に行ってまいりました。伊丹空港到着後最初に向かったのは、今回の視察をコーディネートして頂いた友安製作所様が運営する「友安製作所Cafe&Bar阿倍野」。ネーミングライツで歩道橋にデカデカとお名前が‥!
 あべのハルカスを見上げながら現地集合組もここで合流し、総勢16名でオリジナルハンバーガーを頂きました。建物は、建築界の巨匠である村野藤吾氏が事務所として使用していた歴史的建造物。インテリアショップやDIYスペースを併設したカフェバーにリノベーションしたそうです。食事の後は、友安啓則社長に貸しスペースやショップをご案内頂きました。自社製品や輸入雑貨などが並ぶオシャレな空間とコンセプトに、初っ端から度肝を抜かれてしまいました。

 

 友安製作所Cafe&Barから一路友安製作所様の本社へ。

 スローガンは「生きるをあそぶ」!なんとなく社内もそんな雰囲気で、全員ニックネームで呼び合うとのこと。社内の呼び出し放送もニックネームでした(笑)!

 友安社長のニックネームは「Boss」だそうで、まずはボスから会社説明頂き、その後社内を見学させて頂きました。ネジ製造で創業し、カーテンフックなどの線材加工に転換。インテリア商材の輸入販売事業やカフェ、リフォームなども手掛けるライフスタイルカンパニーへと成長を遂げてこられたとの事です。
 社内に製品を撮影するスタジオも備え、ボスはまちづくり事業やホームパーティ推進委員会を立ち上げるなど、いわゆる「ことづくり」の仕掛人。八尾市のファクトリズムなんかで中心的な役割をはたしています。新潟産業人クラブのスローガン「つながる ひろがる」を地でいくようなスタイルでした‼️

 

 初日2ヶ所目の見学先は、堺市美原区の千代田様。

 こちらは、産業人クラブ会員で燕市にあるアベキン様がM&Aで取得されたとの事。阿部隆樹社長は今回の視察会にご参加頂いており、事務局では3月辺りからずっと拝見したいとお願いしていたのでした。

 千代田様は、プラスチックやアクリル加工を得意とし、店舗什器ができるまでを拝見。アベキングループ様は、事業承継の一環としてM&Aを進めており、企業の垣根を越えて足りない技術を補う事で新たな製品製造に取り組んでおられるそうです。

 

 

 2日目、最初の訪問先はフライパン製造が主力の藤田金属様。

 同社は、アルミニウム製金物の製造販売からスタートし、2021年に創業70周年を迎えました。お客様からの「日本製フライパンが欲しい」との要望を受け、12年前からフライパン製造を始めたそうです。

 熟練の職人や自動ヘラ絞り機など、既存の資産を活かし、塗装以外は全て自社一貫生産。2012年は14,000個の生産量でしたが、2022年には10万個の生産を突破したそうです!フランスやドイツ、アメリカの展示会に出展するなど、グローバルに展開しています。
 藤田盛一郎社長から会社紹介頂いたあと、工場内やショップを見学。鉄板がフライパンになるまでの工程を全て見せて頂きました。700℃の高温で焼く同社独自の「ハードテンパー加工」を施す事で、錆びにくく、長く使えるフライパンができあがります。本社入口にドーンと置いてある特大フライパンも目を引く、魅せる工場でした。

 「これは欲しい!」見学しているうちにどうしても欲しくなり、僭越ながらフライパン「10(ジュウ)」をひとつ購入しました(笑)

 持ち帰って早速肉を焼いてみましたが、今まで使ってたフライパンとは全然違う!外はカリッと、中はなんとジューシーに焼き上がるではありませんか!

 フライパンを育てる楽しみも持ち帰ることができました!

 

 続いての訪問先は錦城護謨様。ゴム、です。

 同社の製品は実に様々な場所で使われています。家電製品の部品や、歩道に設置されている視覚障がい者用の誘導マット、マウスパッド、スイミングキャップやゴーグル、軟弱地盤の改良技術、etc‥。

 あー、あれもそうかー。これもそうなんだなー、と改めて感心しながら拝見しましたが、OEMも多く、なかなか錦城護謨製品とパッと見てわかるものがない。

 自分達の仕事がなかなか一般に認知されにくく、社員の方々もモチベーションがあがらない。

 と言うわけで、社員の皆さんで「KINJO JAPAN」という自社ブランドを立ち上げたそうです。社長に黙って!!

 ガラスのようなシリコーンゴム製のグラスを開発され、販売にこぎ着けました。技術力を「見えないところ」だけにとどめたくないという、熱い想いが製品から伝わってきました。とにかく見た目は完全にガラス。だけど柔らかくて割れないから、安全性も高い。まさに八尾市のクラフトマンシップを目の当たりにしました!

 

 最後の訪問先は、オーツー様。

 業務用イスやテーブルの製造販売を行っています。元々は丸ニスチール製作所という社名だったそうで、丸が2つでオーツーを社名としたそうです。

 2011年に新ブランド「QUON」を発表。クオリティ、ユニバーサル、オンリーワンの3つのキーワードを組み合わせました。イス一脚から作ってくれるそうで、社内で一貫生産しています。ショールームや屋上も社員の皆さんの憩いの場として開放しており、フリーアドレスでどこでも仕事できるそうです。
 一品一品形が違うものを発送するため、効率よく梱包するための段ボール自動折機がありました。他社ではなかなか持ってない設備だそうです。

 

 2日間にわたりじっくりと八尾市の企業を拝見してきました。

 決して広いとは言えない限られた敷地で、工夫を凝らした設備の配置や、製品の見せ方、売り方、学ぶところ大でした。新潟空港に到着し、解散したあと、一息ついている間にバスもタクシーもいなくなり、しばらく空港で呆然とするオマケはつきましたが、実に充実した視察会となりました!